チャット恋愛注意報!!(旧)
女子大生のYUKI。と思ってる男の人たち。
実際のYUKIは、クールなメガネ男子。
……2チャット内での会話は、想像するのをやめておこう……。
「……私はずっと『サクラ』って女の子でチャットしてて、いつも誰かは声をかけてくれてたけど……それは私が女だからなんだね」
「多分な」
「YUKIは誰かと話していたいから、女でチャットしてたのかな?」
「まぁ、その可能性はあるんじゃね? 実際はクソメガネに聞かなきゃわかんねぇけどな」
「そっか」
「あ、俺は男女どっちでもオッケーだよ? むしろ男をいじめたいね」
「……」
と、アホなことを言うフジヤマを完全無視し、波打ち際を見つめる。
YUKIは、ちょっとクールなメガネ男子。
だけど私たちの前ではよく喋ったし、よく笑った。
チャットの中でだって、性別は違ったものの、明るくて楽しい人だった。
でも実際は……?
「なんか……YUKIのこと、もっと知りたいね」
「まぁそうだけど。 でも俺らがそれを聞くのはダメじゃね?」
「うん、わかってる。 自分から話すのならいいけど、私たちがYUKIに聞くのは違う……もんね」
「おう。 暗黙のルール的な何かだ」
「……うん」
やっぱり、そうだよね……。
知りたい。とは思うけど、YUKIは肯定とも否定ともわからない微笑みを見せた。
何を聞かれてもYUKIは言わない。 だから私たちもそれ以上は聞かない。
まさにフジヤマが言う『暗黙のルール的な何か』だ。
「……ねぇフジヤマ」
「んー?」
「フジヤマはさ、私が何かを聞いたら、ちゃんと答えてくれる?」
ふと、そんなことを言ってみる。