チャット恋愛注意報!!(旧)
電車を降り、改札へ向かう。
電車は予定よりも少し遅く着いたらしいけど、誤差は2分ほど。
ロータリーにYUKIの姿はない。
ジリジリと痛い日差しを避け、日陰へと入る。
「……もうすぐ、かな」
駅前に設置してある時計を見たあと、自分の携帯でも時間を確認。
YUKIが言ってた【40分】に、そろそろなろうとしている。
「サクラ」
ふと、顔を上げると。
一昨日と同じように黒っぽい服を着たYUKIが、私の元に歩いてきてるのが見えた。
「待たせたお詫び」
そう言ったYUKIは、私に冷えたスポーツドリンクを渡して微笑んだ。
「ありがとう、YUKI」
「いえいえ、こちらこそ来てくれてありがとう」
「うん。 それで、話って?」
ペットボトルのフタを開けて、スポーツドリンクを口に運ぶ。
喉を通る冷たい液体が、一瞬だけ暑さを忘れさせてくれる。
「……話、か」
少しだけ、迷ったような顔。
そのあとにYUKIは、私を見てクスッと笑った。
「サクラに会いに来た。 じゃ、ダメかな?」
「……え?」
「つまり、デートってことなんだけど」