チャット恋愛注意報!!(旧)
「……」
「……」
暑くて怠い空気の中、セミの鳴き声だけが響く。
YUKIは、何かを考えるような顔で私を見ている。
駅前で見せた顔と同じ。 水族館の中にあるレストランの時とも同じ。
……もしかしてコレが、YUKIの話したかったこと……?
そして……この話は、やっぱりフジヤマとも何か関係がある……?
そう考えて、一つだけ浮かんだことがある。
それは、フジヤマが話していたユキって人のこと。
ユキさんとYUKIは、どこか似ている。 フジヤマはそう言ってたよね?
もしかして……6年前にフジヤマがチャットしてた『ユキ』って、『YUKI』のこと……?
「……YUKIって、本当は23歳……? フジヤマの知ってるユキって人は、YUKIのことなの……?」
もしそうなら、『フジヤマに会いたかった』って言葉や『ラッキーだった』って言葉は、合点がいく……よね?
私と二人で話したかったのは、ユキのことについて……?
「……YUKI?」
私の呼びかけに、YUKIはクスッと笑う。
「参ったな……」
そう言ってジュースを口に運んだあと、YUKIは頭を掻きながら静かに語り出した。