チャット恋愛注意報!!(旧)
今でも彼は、あちこちのルームに顔を出しては色々な人と喋ってるけど……YUKIが言うような現象は、起きてはいない。
時々、フジヤマに惚れちゃう子は現れる。うん、それは確かだ。
だけどほとんどの人は、空いた時間の暇つぶし。
今日話した人と明日も話す。 なんてことは、ほとんどないだろう。
だけど昔は……6年前は、違ったんだ。
「……みんな、フジヤマと喋りたくてチャットに……?」
「俺にはそう見えてたよ」
YUKIが、静かに言う。
「……フジヤマのいつもそばに居たのがユキ。 カタカナ表記の、ユキ」
相変わらず穏やかで、懐かしそうに目を細めている。
「今の『高校生ルーム8』は俺たち4人だけど、昔はもっとたくさんの人が居て、スゲー楽しかった」
「……やっぱり、YUKIが……」
……YUKIが、フジヤマの言ってたユキさん……?
そう聞こうと思った時に、YUKIが私の言葉を止めた。
「俺はフジヤマに憧れるのと同時に、“あの人”にも憧れてた」
……え?
あの人……?
「フジヤマの言うユキは俺じゃない。 俺は、当時の二人のファンに過ぎないよ」
「え……」
「で、俺の本当の年齢は18。サクラやユージと同じ高校生な」
なっ……18……!?