チャット恋愛注意報!!(旧)
「も、もしもしっ……」
うっ……慌てて電話に出てしまった……。
『サクラ?』
「そ、そうですっ……」
『よかった、ちゃんと通じた』
YUKIの優しい声が、電話の向こう側から聞こえる。
『急に電話して迷惑じゃなかった?』
「……ううん、そんなことないよ」
『そっか。 フジヤマに連絡した? あの人、スゲー心配してたよ』
「あ……これから、しようと思って……」
『うん、じゃあまたチャットで話そ。 みんなサクラを待ってる』
「……うん……」
『じゃあ、切るね』
そう言ったYUKIは、あっという間に電話を切ってしまった。
私の方からは全然何も話せなかった。 というか、なんか、急いでるような感じ……?
YUKIに電話させてしまった私の方が、迷惑だったかも……。
そう思いながら、携帯をパソコンの傍らに置く。
「あ……フジヤマからのメールを、見るところだったんだ」
フジヤマから届いたメールには、未読マークがついたままだ。
まずは、私がチャットを辞めた日にフジヤマが送ってきたメールを開く。
【ごめん、リアルのこと色々言い過ぎた】
それが最初で、次のメールは……、
【6年前から全然進歩ないな、俺】
……私へのメールだけど、でもそれは、まるで独り言のようだった。