チャット恋愛注意報!!(旧)
……すぐに、電話をかけ直したけれど。
コールはするものの、フジヤマは出てくれなかった。
その後、【今ちょっと忙しいんだ】というメールが来たので、こちらからの連絡は完全に出来なくなった。
「フジヤマ……」
もう、会えないの……?
『高校生ルーム8』でみんなと話すことは、もうないの……?
……仕事の都合だから、仕方ない。
頭の中でそう言い聞かせるけど、それでもやっぱり私は、フジヤマと離れるのがイヤだった。
「どうすればいいんだろう……」
そう呟いてみたものの、私には何も出来ないのが明らかだった。
チャットというもので、今まで繋がっていたけれど……だけどリアルでは、お互いにそれぞれの生活がある。
フジヤマにはフジヤマの生活があって、私やユージ、YUKIにだってそれぞれの生活がある。
……『卒業』なんだ。
フジヤマは、チャットという世界から『卒業』するんだ。
電話番号やメールアドレスは知ってるけど、それだけの関係……。
今までリアルタイムで話していたけれど、これからはもう、同じ時間を過ごすことはない……。
「……」
♪~♪~♪~
「あ……」
【木瀬 祐二】
画面に表示されたその名前を見たあと、私はすぐさま通話ボタンを押していた。