チャット恋愛注意報!!(旧)


サクラ>ユージは、全然変わらないね


ユージ>そう? でもさ、今度会ったら金髪ピアスとかになってるかもよ?


サクラ>もしそうだったら他人のフリするw


ユージ>いやいや、せめて「サヨナラ」くらい言ってくれww


サクラ>なんでやねんっw




……あ。

私 今、笑ってた。


画面上でも、ユージと笑ってる。




ユージ>お、ようやく元気出てきたなww




……私の変化に気付いたらしいユージが、続けて書き込みをしていく。




ユージ>YUKIやフジヤマが居ないと笑わない女なのかと思ったよww




その言葉を見つめ、私は小さく小さく笑みを浮かべた。




サクラ>なんかごめんね。 でもありがと。 ユージのおかげで元気出てきた。




私のその言葉に、ユージは『さすが俺w』と笑う。

あぁ……なんかフジヤマを思い出す。 懐かしいなぁ……。

あの人も、そんな感じで笑う人だったもんな……。


ユージとフジヤマは、いつも二人でアホなこと言って笑ってて……そこにYUKIが巻き込まれて、私がツッコミを入れて……というのがいつもの流れだったように思う。




「……懐かしい、か……」




ずっと一緒に居たのに、私は少しずつ忘れてきてる。

フジヤマとの会話や、YUKIと笑い合ったこと……いつかは、全部忘れてしまうのかな……。




「……仕方ない、んだよね……」




仕方がない。 チャットというのは、そういうもの。


自分にそう言い聞かせながら、小さく息を吐いたあとに画面を見つめた。


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