夏のカケラ
高津コーチは夜空を見上げながら、タバコをもう一本くわえた。


「俺はお前に色々と目をかけた・・・だけどそれが悪かったんだな・・・」


高津コーチはタバコに火をつける。


「お前・・・段々と野球から冷めただろ?」


僕は頭をかいた。


高津コーチは笑う。


「そりゃそうだ・・・練習して少しでも上達すると、すぐに次のステップに進ませたからな・・・あれは誰でも嫌になる・・・上手く成った気がしないからな・・・」


そうだった。僕は一向に上手く成らない自分に嫌気がさしていた・・・そして、自信を無くしていたのだ・・・


「あれは・・・本気に済まないと思っている」
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