夏のカケラ
高津コーチはタバコを口にくわえる。


「良いか、ヒロ」


僕は高津コーチを見た。


「お前の才能を伸ばす事が出来なかったのは、俺のミスだ・・・」


そう言って高津コーチは煙りに目をしかめた。


「だから・・・これから・・・毎日お前の練習に付き合ってやる・・・」

「え?」

「・・・一人じゃ、野球の練習は限られてしまうだろ?」

「・・・良いんですか?」

「どうせ、家に帰っても酒飲みに行くだけだ・・・」

「高津コーチ・・・」


僕は嬉しくなった。


「これから、毎日鍛えてやるよ・・・」

「はい!お願いします!」

「よし、じゃあ、明日から・・・」
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