夏のカケラ
「何で?気に入ったら告れば良いじゃん」


お前は童貞男子を敵に回した。


僕とカズはアキラの髪に爪楊枝を差し込んだ。



「あ、良い所にいた!」


後ろから声が聞こえた。


振り向くと、エプロン姿のマイが立っている。


「おう、七瀬〜」


相変わらずアキラがバカっぽい声をあげる。


「ねえ、ねえ、アンタ達、暇でしょ?」

「どうしたんだ?」


カズが頬杖をついて答える。


「ウチのクラスに来てよ、ノルマで二人以上集めないといけないのよ」

「六組は何をしてんだっけ?」

「カワイイ子ばかりの喫茶店で〜す」


そう言って、マイはぶりっ子した。
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