夏のカケラ
僕の周りにカップルが増えて来た。


段々と居づらく成った僕は立ち上がり、歩き出した。


校内にはみんなが各々、文化祭の退屈を紛らしている。


ホント・・・シケシケな学校だわ・・・


僕がそう思いながら歩いていると、声を掛けられた。


「一ノ瀬」


声の方に振り向くと、坂口美樹が立っていた。


「坂口」


坂口は笑顔で僕に近付く。


「どこ行くの?」


坂口が僕に聞いて来る。


「行く宛もなくさまよってる」

「何で?」

「レベル上げをしてるんだ、弱い敵を探して」

「え?」


坂口はよく分からない顔をしていた。


僕の冗談は、分かりにくい。
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