夏のカケラ
台所では、マイと母親が楽しそうにケーキを食べていた。


僕も席に座りケーキを待った・・・が、一向に出て来ない。


「母ちゃん、俺のケーキは?」

「は?あんたケーキいるの?」

「え?」

「あんたの分なんか無いわよ」

「はあ?」


何でだ!


「あ、ゴメン!これヒロのだったんだ・・・どうしよ・・半分食べちゃった・・・」


マイが済まなさそうな顔をする。


罠だ・・・これは演技だ・・・


「あ〜、良いの、良いの!マイちゃん食べなさい!ゴメンね〜マイちゃん・・・空気が読めないバカで!」
< 17 / 715 >

この作品をシェア

pagetop