夏のカケラ
コイツが御礼を言うとは・・・


僕らが、いつもの特訓しているグランドの側を通った。


子供達が野球をして遊んでいる。


「懐かしいね・・・」


マイが少年達を見ながら言った。


「そうだな・・・」


僕らは立ち止まり、しばらく少年達を見ていた。


冬の空が茜色に染まる。


僕はふとマイの横顔を見た。


マイは優しい顔をしている。


思わず見とれてしまった。


マイが僕に気付き、僕を見た。


僕は誤魔かす様に、思い切り伸びをした。


「ねえ?」

「うん?」


マイがしゃがんで川を見る。
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