夏のカケラ
「ヒロが最初に野球を始めたきっかけ、覚えてる?」

「俺の・・・きっかけ?」

「うん」


僕は考えた。


思い出せ無いな・・・


「何だっけ?」


僕の言葉に、クスッとマイが笑う。


「小さい時から、私は野球が好きだった事は覚えてるわよね?」


あー、それは覚えてる。


「私がさあ、テレビの高校野球ばかり見てたら、ヒロが怒って言ったの・・・」


僕はマイを見つめた。





「『俺が甲子園に行くから、だから見ておけ!』って・・・」






風がマイの髪を揺らした。


そうだ・・・


思い出した・・・


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