夏のカケラ
「だって、大事な幼なじみだから」


僕らは再び笑った。


笑い終えると、マイは微笑みながら、僕を見つめた。





「ありがとう・・ヒロ、嬉しかった・・・」





僕は照れて顔を背けた。


マイはそれでも、僕を見ていた。


僕はマイをチラッと見て呟く。


「・・・笑うなよ・・・」

「え?」


僕はマイの方に向き直り、

「・・・さっき、お前は俺に聞いたよな・・・」

と呟く。



「・・・甲子園に・・・行きたいか・・・って」



少年達が野球をしながら騒いでる。


マイの髪を風が揺らす。


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