夏のカケラ
僕は再び、川の方を見た。




「・・・行きたいんだ・・・今までに・・・無い位に・・・」




川が茜色に染められている。


「何でかな・・・?最近、悔しいんだよな・・・」


僕は川の流れを見ていた。


マイは黙っていた。


「・・・俺は下手くその癖にさ・・・誰かが・・甲子園に立つのが・・・悔しいんだ・・・」


そうだ・・・!


僕は何故か悔しいんだ。


「おかしいだろ?」


僕は笑いながらマイを見た。


マイは笑わずに僕を見つめていた。


二人の間に風が流れて行く。


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