夏のカケラ
そうだ・・・


みんな行きたいんだ・・・!


だけど・・・


口に出す事が、


怖いんだ・・・


監督は僕らを見ていた。


山本さんが俯きながら、拳を握っている。


監督は、それを横目で見ている。


近藤さんが、ゆっくり山本さんに近付く。


「トモ、・・・素直に成れ・・・お前も、本当は負けるのが嫌なんだろ・・・」


山本さんは顔を上げた。

近藤さんは続ける。


「嫌だから・・・嫌だから、昨日・・・ヒロに負けた事が悔しかったんだろ・・・?」


山本さんは目に涙を溜めていた。





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