夏のカケラ
「ヒロ・・・俺はな、野球をやりたく無い奴はやらなくても良いと思う・・・挫折する事も教育の一環だ・・」

僕は監督のボールペンを見続けた。

監督は話しを続ける。


「ただ・・・自分の居場所を無くして辞める事はダメだ・・・!その後の人生に何も残らない・・・」

監督がボールペンを机に転がし始めた。

僕は監督の話しに頷く。


「山田が辞めた時・・・アイツは自分の意思で辞める旨を伝えに来た。そう言う奴は大丈夫だ・・自分で立ち直る事が出来る・・・ただ、黒田は違う。それを肝に銘じて置いて欲しい・・・」

監督はそれだけ言うと、笑顔に成って明後日の試合の話しをした・・・





そして・・・

夏の大会が始まった・・・







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