夏のカケラ
みんなの顔に血の気が戻る。顔が紅潮する。



「それが、お前らの宝に成る!分かったな!」

「はい!!」



僕らから緊張が吹き飛んだ。




試合開始の挨拶が終わり、山本さんが僕の所に来て、

「頼むぞ!」

そう言って肩を叩きながら笑った。

僕は親指を立てて応える。

後攻の僕らが守備につき、投球練習を終えマウンドのムネオの元に行く。

「ムネオ、顔に鼻糞付いてるぞ」

「え?マジっすか!」

「あ、ゴメン、ホクロだ」

僕が笑う。

ムネオの顔にも笑顔が出る。


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