夏のカケラ
「よく、やってくれた」

八田はそう言って桜川のグラスにビールを注いだ。

「まだ、二回勝っただけだ」

桜川は苦笑いをしながら八田の酌を受けた。

「いや、でもよくやってくれたよ」

居酒屋の大将が、刺身を目の前に置く。


「最近のあの子達の表情は素晴らしい・・・輝いているよ」

八田はそう言って刺身を突いた。


確かに・・・三年生は顔が変わったな・・・

だが・・・


「うん?どうした?今日は奢りだ、どんどん食べて甲子園に向かって頑張ってくれ!」

八田は笑いながらビールを注いで来る。


「八田・・・」
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