夏のカケラ
「うん?」

「今年は無理だぞ・・・」

桜川が呟きながらビールを飲む。

「え?」

居酒屋が騒がしい。

桜川はコップを静かに置いた。

「恐らく・・・次は勝てない・・・」

桜川がそう言って、オシボリで口を拭う。

「そうなのか・・・」

その声に桜川は頷く。

「次の試合からシード校が出て来る・・・今のままでは無理だ」

八田はその答えに静かに箸を置いた。

「そうか・・・」

そう言って黙り込む。


「だが・・・」


桜川の声に八田が顔を上げた。


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