夏のカケラ
山本さんが空を見ながら呟いた。


みんなが山本さんを見る。


「お前が・・・いなければ・・こんな気持ちを味わえ無かった・・・」

「山本さん・・・」


僕は起き上がった。

アキラやカズは空を見つめている。


「・・・お前らは、絶対に行けよ・・・甲子園に・・!」

「え?」

「そうだな・・・来年、頼むぞ!」


水谷さんも起き上がり、そう言った。

「今年・・・まだ終わってませんよ」

僕の答えに山本さんは、首を振る。



「今年は・・・行ったらダメだ・・・俺達の頑張りは少な過ぎる・・・」



「で、でも・・・」


< 304 / 715 >

この作品をシェア

pagetop