夏のカケラ
僕はマイと共に、家路に着いた。


なんだかんだ言いながら、僕は毎日、マイと家に帰る。

僕らはこの一年ですっかり昔の様に仲良く成って来た。


「甲子園大会も、もう終わりだね」

マイの顔が夕日に照らされて、紅く染まる。

「結局、新港学院も二回戦で負けちゃったな・・・」

僕は空を見ながら呟いた。

「・・・なんか悔しそうな顔をしてるね」

マイが僕を見る。

「そうか?・・・ちょっとだけな・・・」

僕の言葉にマイが笑った。


空には鰯雲が出始めた。


段々と秋に近付いている。


「良かったね・・・」

「何が?」

マイの言葉に僕は反応した。
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