夏のカケラ
「俺は野球を続ける!上手いも下手も関係無い!」



春風の中に、ほのかに夏の臭いを感じた。


まだ四月なのに。


僕はカズから目が離せなかった。


ずっとカズを見ていた。


僕の心臓がドキドキとしていた。


ポケットに入れられた拳に汗をかいていた。


カズから目が離せない。




「俺は、野球が好きだ!!!」




心臓が爆音を立て、血液を僕の体に送っていた。


僕は興奮しているのだ。


このカズの言葉に・・・!


カズの真っすぐな瞳に!


コイツ・・・!


なんでこんな真っすぐなんだ・・・


僕は恥ずかしくなっていた。


自分が情けなく思えた。


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