夏のカケラ
試合の前日、奥野から電話があった。


『おう、元気か』

奥野の声は明るかった。

「お蔭さまで」

僕も明るく答える。

しばらく、二人で他愛も無い事を話すと、

『いよいよ、明日だな・・・』

奥野から振って来た。

「俺達は勝ちに行くぜ」

『俺は、七瀬の事で個人的に怨みが有るから全力で行く・・・っつっても、俺はレギュラーじゃねーけどな・・・』

奥野が笑う。

僕らはしばらく、話した後に電話を切った。



部屋に戻ると、マイがいつもの様に窓を叩いて来る。

「今、奥野から電話があった」

僕が言うと、マイは困った顔をした。

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