夏のカケラ
そう言われ、桜川も

「こちらこそ、ご無沙汰しております」

そう答えた。

「いやあ、城陽を辞められて、どうされているかと思ったら同じ県の高校に赴任されていたとは・・・・」

そう言って鬼塚は笑った。

「この年で勉強をさせて貰おうと思いましてね・・・」

桜川も笑顔で答える。


しばらく雑談をした後に、鬼塚がウチのメンバーをチラリと見て、

「あの・・ピッチャー・・・かなりのスピードを持ってますな・・・」

ケンの事だ。ケンはすでに少しづつだが、知られて来ている。

あの速さで、あの荒れ球は中々高校生では打てない。

しかし、私学の名門は別だ。

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