夏のカケラ
「どこに行くのって聞いてるじゃない」

「ビデオ屋だよ」

「じゃあ、本屋の近くね」

「あん?」

「乗っけてって」

「自分のチャリで行けよ!」

「私のはパンクしたのよ」

「お前の体重でか?」


ボコッ!


「ッテ!殴るか普通!」

「次は蹴るわよ」


最悪だ・・・この人。


僕は仕方なくマイを後ろに乗っけて走り出した。




自転車で駅の方に向かう。


途中に商店街に入ると、商店街の人達が声を掛けて来る。


「お、デートか?お前ら」

「ヒロ!マイちゃんを泣かすなよ!」

「良いね、仲が良くて!」
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