夏のカケラ
うるせーよ、アンタらは。


僕がそう思い走るが、マイは笑顔を振り撒いている。


コイツ・・・コエーわ。


「ねえ」


マイは笑顔を崩さずに小声で話し掛ける。


「え?」

「ちょっとは笑いなさいよ」

「はい?」

「アンタね、こんな美女を後ろに乗っけてブスっとしてたら変に思われるわよ」


自分で美女って言うな。


「それで無くても、ヒロは学校で変人扱いされてるのに」

「なにー!!」


僕はマイを振り返った。


「ちょっと、ちゃんと前を見てよ」


え?俺変人扱い?


「一人の茶髪は授業中うるさいし、ロン毛は誰彼構わず女の子に声を掛けるし・・・一見普通そうに見えるもう一人も絶対に変だって・・・」
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