夏のカケラ
「あ、坂口・・・」


僕は笑った。


坂口美樹。


僕と同じ中学で、今もクラスは別だが、高校が同じだ。


「なんか、久しぶりね」


坂口が僕の側に来た。


坂口の髪からシャンプーの良い匂いがする。


デニムのミニスカートから伸びる白い足が眩しい。


「ああ・・久しぶりだな、同じ学校でもクラスが違えば余り会わないもんな」


僕はウキウキして来た。


坂口とは中学の時から仲が良かった・・・て、言うか・・・好きだった。


カワイイなぁ・・・


僕は思わず見とれてしまっていた。


「何の本、探してるの?」

「え?・・ああ、いや別に特には・・・」
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