夏のカケラ
鋭い球が僕の手前でバウンドして、僕は必死に食らいつく!


ボールは僕のミットにずっしりとした感触と共に、入り込んだ・・・!


僕はしばらく、そのままの姿でいた。


みんなが黙って僕を見ている。


僕はゆっくり立ち上がると、三人の親父達を見た。


そして、深々と頭を下げる。


「・・ヒロ」


吾妻監督が鼻を啜り上げる。


僕は三年間の思いを込めて叫んだ。





「ありがとうございました!!」





僕の言葉に続いて、部員全員が頭を下げた。




「ありがとうございました!!!」




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