夏のカケラ
甲子園へ行く為の、たった一枚の切符の為に、激しい戦いが繰り広げられる。


僕らの前の試合が終わった。

負けたチームが、僕らの前を通り過ぎる。


みんな泣いている。

夏を終えたチームが肩を落として歩く。

僕らは黙ってその姿を見つめていた。


嫌だ・・・


負けたく無い・・・


僕の心に込み上げる。


全員が緊張した顔でそれを見ていた。


「東和台の皆さん、ベンチに入って下さい!」


係員が僕らに言う。


僕らは立ち上がると、ゆっくりベンチに向かおうとした。


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