夏のカケラ
「ああ、任せろ!」

僕らの顔が引き締まった。


緊張は消えないが、その緊張感が心地良く成って来た。


いつも一番側で支えてくれているマネージャーにそう言われたら頑張るしかない・・・!




一回戦は観客がいない。

ただ色んなチームがビデオを持って偵察に来ている位だ。


僕らは試合前の練習を終えてベンチ前に集まった。


監督が僕らの顔を見つめた。


「暑いな・・・」


突然、そう呟いた。

監督は空を見上げ、

「俺達の・・・長い夏の始まりだ・・・」

そう言ってニヤッと笑う。


「今まで支えてくれた、商店街の人達・・・」

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