夏のカケラ
帰り道、商店街を通ると、また商店街の奴らがからかって来るので、僕は川沿いの土手を走った。


日曜日の午後なので、河川敷のグランドには色んな人達が遊んでいる。


僕は自転車を走らせながら、坂口に会えた事が嬉しくてニヤニヤしていた。


「ねえ」

「あん?」

「さっきからニヤニヤして、キモいんだけど」


川に突き落としてやろうか、コイツ。


僕はマイを無視して、川沿いの土手を走った。


天気が良い日曜日であった。


風が初夏の色合いを見せ、気持ちが良い。


僕らの自転車は快調に進んで行く。
< 50 / 715 >

この作品をシェア

pagetop