夏のカケラ
と、同時に音が消える・・・


ピッチャーの呼吸しか聞こえない。


来た!


この感覚!


ランナーがいる時に、僕はこの感覚に成る。


ピッチャーがセットポジションから投げて来た。


その瞬間、世界が急激に遅く進む。


ボールが遅い。


スライダーじゃ無い!


僕は球を引き付け、鋭くスイングをした。


カーン!!


甲高い金属音と共に、ボールがセンターとライトの間に転がる。


よし!長打コース!


センターがボールに追い付いた時、ケンは三塁を回り、一気にホームに向かった。


< 505 / 715 >

この作品をシェア

pagetop