夏のカケラ
二塁打だ。

塁上でカズが観客席に向かってガッツポーズを取る。


吹奏楽部が、歓喜の音楽を鳴らす。


「おー、おー、彼女が見てるから張り切っちゃって!」


二番のカズの次は三番の僕と四番のアキラと、三年生トリオが続く。


アキラの言葉に僕は苦笑いをした。

「ま、モチベーションは何でも良いよ」

僕は笑いながら、スプレーをアキラに渡した。


7回の裏、7対4。

僕らが勝っていた。


流石に打撃の鹿島と言われるだけあって、ムネオとケンの球をよく打つ。

が、

僕らも負けて無い。


「一気に引き離すそうぜ!」
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