夏のカケラ
彼は47歳で、と有る建材メーカーの社員であった。


久しぶりに、風呂上がりにプロ野球でも見ながら一杯やるかな・・・


そう思いながら商店街を歩いていると、やたら街が騒がしい。

しかも、近所の顔見知りの人達がジロジロと友和を見てくる。


何だよ・・・


「ヨオ、一ノ瀬の旦那!」

後ろから元気な声が掛けられる。

振り返ると、魚屋の石田が笑顔で立っていた。


「石田ちゃんか」

「珍しく早いな、リストラでもされたか?」

「そしたら、魚屋で働かせてくれ」


笑いながら話した。


「いやあ、でも今日の試合は凄い試合だったな!」

石田が嬉しそうに言う。

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