夏のカケラ
もちろんレギュラーで、しかも四番の奴だ。


「本当だ。アイツは確か、生野学園に行ったよな・・・」

「・・・ここまで、走って来たんだ・・・」


生野学園からここまでは、かなりの距離がある。


僕は感心した。


さすが名門だな・・・


僕は再び走り出した。


しばらく走ると、マイが後ろから呟いた。


「一方は名門で凄い練習をして、もう一方は日曜日に練習もせずビデオを見る・・・」

「・・・何だよ」

「・・・別に、ただ奥野は良い顔してたわね、アンタみたいにニヤけて無い・・・」


僕は少しムカついて来た。


「・・・そりゃ、向こうは甲子園を目指してる訳だし・・・あれ位するんじゃねーの?」
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