夏のカケラ
決勝戦に駒を進めた事により街は、お祭り騒ぎと成っていた。


球場で解散と成り、マイとヒロが駅に到着した時に街の人達が笑顔で見て来る。

商店街に至ってはセールの嵐である。

「だから、勝手にセールをすんなよな」

ヒロが毒づいていた。

マイも苦笑いを浮かべた。


「おう、ヒロ!おめでとう!」

「明日も頑張れよ!」

「甲子園に行けよ!」


口々に声を掛けられる。

ヒロは照れながらも手を上げて応えていた。




家に到着した時には更にヒドイ状況であった。


近所の人達がヒロの家に集まり騒ぎ捲くっていた。

マイは手伝いに借り出されたが、ヒロはそそくさと風呂に入り、自分の部屋に逃げた。

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