夏のカケラ
僕は早朝の学校に到着した。

まだ、誰もいない。

当たり前だ。

まだ7時だ。


そう思ってグランドに立つと、

「おせーよ」

突然の言葉に振り返ると、アキラとカズが笑いながら立っていた。


「早いな!」

僕は笑ってしまった。

「日の出より早く起きた」

「爺さんか!」

「俺はニワトリを起こしてやった」

「迷惑だろ!」


僕らは笑った。

そして、ゆっくりグランドを見た。

夏の爽やかな朝日が、グランドをオレンジ色に照らしている。


コイツらも僕と同じ気持ちだったんだろう・・・


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