夏のカケラ
ムネオは、ボー然と立ち尽くしている。


ケンは腕を組んで下を見ている。


ベンチのクロ達は、ベンチに座り込んでいた。


応援スタンドが静かに成って行った。


全員の心が折れ始めている・・・


駄目だ・・・


もう・・・


駄目なんだ・・・


僕の膝から力が抜けて行く。


膝が地面を欲している・・・


膝をついては・・いけない!


だが・・・


その心と、裏腹に膝はゆっくりと下がって行く・・・


諦めたら・・・負けてしまう。


分かっているが、膝が言う事を聞かない。


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