夏のカケラ
「・・まだ・・」


マイは絞り出す様な声を上げた。




「まだ・・終わって無い・・・」




マイの心が熱く成って来た。


ゆっくりとマイの瞳から涙が流れ落ちる・・・


そして、マイは唇を噛み締めて叫んだ。





「まだ終わって無いじゃない!!!!」





マイの瞳は、まっすぐみんなを見ていた。


みんなが押し黙る。


監督は黙って見ていた。



「私は・・・」



マイが再び口を開いた。


みんながマイを見つめていた。



「私は・・・女だから・・・グランドに立てない・・」



雨が降り続いている。


小さく雷が鳴っていた。





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