夏のカケラ
雨が上がって来た。


雲間から夏の光りが差し込み、それがグランドを照らし付ける。



審判が試合再開の準備をする旨を伝えて来た。


みんなが各自グローブを手に取り、円陣を組む。



「監督」



ヒロが監督を呼んだ。



「まだ・・・まだ・・・間に合いますか・・?」



ヒロの言葉に監督は、ゆっくり立ち上がる。


そして、ポツリと呟いた・・・



「間に合うかどうかは・・・俺も・・・分からん・・」



みんなが少し下を向いた。




「だが・・・」




監督が言葉を区切る。


そして全員を見て笑った。





「思いを・・・思いを言葉に出せ・・・!そして・・・走れ!」





全員が顔を上げる・・・!





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