夏のカケラ
桜川の質問に木山はまっすぐ顔を見つめた。


「スクイズです」

「え?」

「生野はスクイズして来ます!」

「何だと?」

「早く、早く知らせて下さい!」


木山の真剣な顔に、桜川は立ち上がり、ヒロにサインを送った。

ヒロはびっくりした顔をしたが、頷いた。


桜川は木山を見つめた。

木山はグランドを見つめている・・・







僕は監督から、スクイズ有りのサインを受け取ると、ウエストして、バント出来ない様にしようとしたが、ふと考えを変えた。


強気で・・・行くか・・・!


そして、ホームベースの上の砂を手の甲で払う。


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