夏のカケラ
ムネオは元気に答えた。


ムネオの爪が若干割れ掛けている。

だが、ムネオは顔に出さない。


ヒロさんも・・・気が付いている筈だ・・・

ムネオは7回からずっとナックルを投げ続けていた。


ストライクに入ろうが、ボールに成ろうと関係無い。

だが、誰も打てない。

フォアボールも多いが、三振ばかりだ。


余りの気迫の為に、相手は多少のボールでも、振って自滅してくれている。


こうなれば根比べだ。


「ムネオ・・・」


ヒロが再び呟いた。

ムネオが顔を上げて、ヒロを見た。


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