夏のカケラ
ムネオは投げる度に、顔を歪め始めた・・・

限界が近い。

ナックルの連投だ。

このままでは、ムネオが潰れてしまう・・・


ケンはレフトでムネオを見つめていた。


クソッ・・・!


自分が歯痒い。

打たれて降板した自分が歯痒かった。


ムネオはそれでも、ワンナウトを取り、声を出している。


だが、顔色が悪い。

俺は・・・



俺は・・・1番の番号を背負う・・・エースだ・・・!


エースは・・・



チームを背負ってるんだ!



考えるより先に、思わず言葉を発した。


「タイム!」
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