夏のカケラ
ケンはロジンを下に置くと、僕のサインに力強く頷いた。


奥野・・・


お前らには、分かんねーよ・・・


何度死んでも・・・


生き返る奴が・・・



いるって事が!



ケンが大きく振りかぶり、左足を上げる。



そして、僕のミットを睨み付けると、腰を鋭く回転させながら、腕をしならせて行く・・・



そのまま、腕がビュンと音が聞こえる程、一気に振り下ろした!


弾丸の様なその球は、音も無く、凄い速さで僕に近付く・・・!





パーンッ!!!!!





渇いた音が球場全体に響いた気がした。


奥野の目が点に成る。


場内が一瞬静まり返る・・・




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