夏のカケラ
「おい、ヒロ」


僕らはベンチの前で試合前の挨拶をする為に並んでいた。


「うん?」


アキラの問い掛けに僕は反応した。


「暑いな・・・」


アキラは目を細めて空を見た。


僕も空を見上げた。


「・・・ああ、そうだな・・・」


「俺達の夏だ・・・!」


「ああ・・・そうだ・・・!」




僕らの夏だ・・・!




「整列!」


審判が呼ぶ。





「よし!!行くぞーっ!!!」




「オウッ!!!」




甲子園にサイレンが響き渡り、僕らは走って行った・・・





空には入道雲が沸き上がり、上空を飛ぶ飛行機の機体がキラキラ光っていた・・・




そうだ・・・・



僕らの・・・・




甲子園の夏だ・・・・!







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