夏のカケラ
甲子園は夏の日差しを一杯に浴びている。


歓声が地鳴りの様に響いていた。


懐かしい・・・


桜川はあの夏の甲子園を思い出す。


あの輝いた夏を・・・


「チワース!」


元気な声に振り返ると、そこには、あの時のメンバーが笑っていた。


「おう、お前ら!」


桜川が笑った。


「お久しぶりです、監督!」


アキラがペコリと頭を下げる。


「お、アキラも社会人だな・・・ちゃんと挨拶が出来る様に成ったか・・・」

「辞めて下さいよ、俺はもう二児の父親っスよ」

「お前が父親何だな・・・」


桜川が笑う。

< 706 / 715 >

この作品をシェア

pagetop