夏のカケラ
「二度と・・・させないからな・・・」


マイは黙って僕を見る。


何が言いたいか、混乱してきた。


「見ておけよ・・・」

「え?」


僕はマイを見た。





「本気に成った俺を見ておけ!!」





マイの黒髪を夏の風が揺らす。


「良いか!お前が本気にさせたんだからな!」


僕は叫んでいた。




「本気に成った俺を、側で見ておけ!!」




僕はそう言うと、走って学校に向かった。


後ろから声が聞こえた。


「バーカ」


振り向くとマイは軽く笑っていた。


「バカを舐めるなよ!」


僕はそう言うと、駆け出した。
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