鏡の中の彼女
多分滑舌が悪くてまともに呼べてないからだろうな。



「ほんと、なっちゃんと陵くんって仲良いよね」



「へへ、ありがと」



夏子がでれでれしながら答える。



朱里は半ば呆れながら言ったのだけど。



じゃあ、ちょっと用あるから、と朱里が夏子を連れていなくなる。



その直後、



「おまえの彼女どうなってんの」



と横から話しかけられる。



俺がさっきから待っていた潤だ。



「おまえ人のこと呼び出しといておせーよ」



頭に縦に手を振り下ろす。
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